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谷戸、里山は今や貴重な存在と成っていますが、そもそも多摩の原風景と言えば当にそれでした。 このブログではそんな多摩の原風景をご紹介し、未来にこの素晴らしい風景を伝える一助と成ればと思って開設しました。 また記録の意味も含めて、宅地化されて失われてしまった谷戸や、人工の谷戸や里山も紹介します。
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P1010504_1.jpg
 
名称:佐伯谷戸、佐伯ヶ谷戸、佐伯屋敷
住所:東京都多摩市5丁目付近
所属:多摩丘陵、佐伯谷戸本谷
河川:佐伯谷戸川
水系:多摩川水系、乞田川支流
鎮守:熊野神社

自然度:1/5 景観:1/5 危険度:0/5
宅地化:5/5 荒地:1/5 農地:0/5
水田:無し 耕地:ほぼ無し 公園化:ごく一部

消失危険度:5/5

 この谷戸は現在ほぼ宅地となり谷戸としては消滅しているが、地形的な面影と、
多くの史跡が残り、多摩市の史跡巡りのスポットとして新たな側面を見せている。

P1010495_1.jpg 場所は旧鎌倉街道沿いから西側に入ったところで、
入り口の目印はなんといっても多摩市が誇る全国屈指の酒販店
「小山商店」である。
この小山商店の道を挟んだ反対側に、山へ入る細い道が存在しているが、
これがこの谷戸の入り口の名残だと思われる。
 周囲は新旧混交の宅地が立ち並んでおり、旧街道沿いの情緒と
ニュータウンの雰囲気を混ぜ合わせた独特の景観を形作る。


 佐伯谷戸とはしかし変わった名前である。
実はこの関戸村は鎌倉街道の要衝であっただけでなく、古戦場後としても有名だ。
実際にここで戦闘が行われたのは鎌倉時代の「関戸の戦い」であり、
この付近には古戦場跡の碑や、この地で討ち死にしたと伝えられる、
横溝八郎、安保入道の墓などがあり、歴史好きの人々の興味をくすぐるが、
名前の由来となったのはそれよりも後年で、この地の治めるために赴任していた
後北条氏の家臣、佐伯道永が居城があったことに由来すると言う。
 大変な崇敬を集めていた役人だったようで、道永亡き後、一部の民はその遺志を、
姓を名乗る形で受け継ぎ、多摩市の佐伯姓の源流になったとも言われている。
この辺りの歴史背景は以下を参照されると良いだろう。

「関戸の戦い」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E6%88%B8%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

「小田原の役」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E5%8C%97%E6%9D%A1%E6%B0%8F#.E5.B0.8F.E7.94.B0.E5.8E.9F.E3.81.AE.E5.BD.B9

 さて話しを谷戸に戻すと、この谷戸へのアクセスは、京王バスの関戸バス停か大栗橋バス停を利用し、
小山商店を目指すことから始めると良いだろう。
あるいは、多摩センター方面や聖蹟桜ヶ丘方面から史跡を眺めながら至るのもまた良い。
 細長く急な坂道を登って行くと、途中に霞ヶ関公園がある。辺りは一面宅地だが、
開発の際に山を完全には切らなかったため、この道沿いが谷地になってるのがよく分かる。
公園の裏には古道の跡と思われる砂利の狭隘路があったり、
メインルートの左右からは、沢山の水路が大きな水音を立てて暗渠に流れ込むのが分かる。
昔から水の豊富な場所であったようだ。
 暗渠となった川は、旧鎌倉街道を下り、大栗橋公園下をながれ、鎌倉街道を潜って、
みゆき橋公園内を進んで乞田川へ落ちていると思われる。

 現在では、山の面影は民家の裏山だけとなり、残った山も最近新たな宅地開発で
ほぼ消失してしまって、今後景観が良くなる要素は残っていないが、
史跡と、お寺が多い場所としての静けさだけは保って欲しい。

この辺りの昔の地形図は以下のリンクから
http://habs.dc.affrc.go.jp/habs_map.html?zoom=16&lat=35.64235&lon=139.45024&layers=B0F0FTTTTF

この辺りの現在の地図は以下

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音楽系の仕事の傍ら、多摩の原風景を求めて
歩き回っています。
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