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谷戸、里山は今や貴重な存在と成っていますが、そもそも多摩の原風景と言えば当にそれでした。 このブログではそんな多摩の原風景をご紹介し、未来にこの素晴らしい風景を伝える一助と成ればと思って開設しました。 また記録の意味も含めて、宅地化されて失われてしまった谷戸や、人工の谷戸や里山も紹介します。
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名称:狼谷戸、狼谷、大谷戸
住所:東京都多摩市関戸6丁目付近
所属:多摩丘陵、狼谷本谷
河川:狼谷川(おおかみだにがわ)
水系:多摩川水系、乞田川支流
鎮守:鈴岸稲荷神社 祭神:宇迦之御魂大神(推定)

自然度:3/5 景観:4/5 危険度:2/5
宅地化:3/5 荒地:1/5 農地:3/5
水田:有り 耕地:有り 公園化:半分

消失危険度:0/5

  多摩市役所の裏手に突如広がる農村風景に驚かれる方も多いかも知れない。
この地は地元の方のご努力もあって、多摩市の中心部近くであるにもかかわらず、
開発の手を免れ、原風景をそのままとどめている貴重な場所である。
その昔は名前の示すとおり、狼が出るような寂しいところであったとか、
実際に狼に旅人が襲われたといった言い伝えも残っているとおり、
山深く、余り人の通らない場所であったというが、実際にはもっと山の方、
この谷戸の最奥部をそう呼んでおり、現在でも残っている下流側は大谷戸と呼んでいたようだが、
時代が移って今はこの谷戸を狼谷戸と呼ぶことが増えているようだ。
 近くには鎌倉街道が通っており、関所跡もあるなど歴史的にも人の往来の絶えない所から
たった一本それた途端に昔ながらの多摩の農村は待っている。

eb3b287a.jpg 旧鎌倉街道を多摩市役所に向けて上って行くと、京王バスのバス停「坂下」がある。
この坂下バス停から、本線からそれて行く道がある。実はこれが古鎌倉街道であり、
この道を進むと多摩市役所の裏手の方に昇って行く。
その上り坂を「沓切坂」と言うのだそうだが、更に分岐する道がこの谷戸の入り口だ。
 奥には桜ヶ丘の宅地がびっしりと立ち並び、この集落との好対照を見せている。
背後には里山をしょっており、この里山は公園とされて昔の小字から「原峰公園」と名付けられ、
手つかずの雑木林がそのまま保存されたような印象である。

 谷戸入り口から一歩入るとすぐに水田が目に飛び込んでくる。
多摩の地酒「原峰のいずみ」を醸すために用いられる酒米をここで育てているそうだ。
また同じ名前の味噌を造る工場も近くにあり、味わいは滋味深く旨味の深い素晴らしい。

 散策にはまずこの谷戸をじっくり楽しむことから始めたい。農村の土の匂い、柔らかな水田の色合いを
じっくり鑑賞し、民家の入り口や畑に植えられた四季折々の花を楽しみながら、谷戸の上へと向い、
宅地に向かう階段を上り、少し行ったところを右折する。
眼下にこの谷戸を一望出来る高台のロケーションを楽しんだらその道を上がって行くと、
多摩市のコミュニティ施設「ゆう桜ヶ丘」に着く。
 ここでちょっと休憩したらそこから「原峰公園」の雑木を散策に入る。
少し荒れてしまっているのが残念だが、オナガやヒヨドリの多い森のあちこちに水路や休憩所があって、
疲れてもすぐに休憩が取れる。
その森の中に入り口の見つけにくい鳥居が建っている。
この鳥居は山の上側からのルートでないとは入れないが、鈴岸稲荷という稲荷神社で、
集落の人々が建立した鎮守である。

 昔は多摩市役所の方まで谷戸が伸びていたそうだが、多くは開発に呑まれ面影は少ない。
そんな中、この場所だけが素晴らしい景観をとどめたのは当に軌跡のようでさえある。

この付近の昔の地形図は以下のリンクから
http://habs.dc.affrc.go.jp/habs_map.html?zoom=16&lat=35.63744&lon=139.44522&layers=B0F0FTTTTF

現在の地図は以下

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音楽系の仕事の傍ら、多摩の原風景を求めて
歩き回っています。
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