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谷戸、里山は今や貴重な存在と成っていますが、そもそも多摩の原風景と言えば当にそれでした。 このブログではそんな多摩の原風景をご紹介し、未来にこの素晴らしい風景を伝える一助と成ればと思って開設しました。 また記録の意味も含めて、宅地化されて失われてしまった谷戸や、人工の谷戸や里山も紹介します。
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627d97b1.jpg
 
名称:入道谷戸
住所:東京都多摩市桜ヶ丘4丁目付近
所属:多摩丘陵、入道谷戸本谷
河川:不明
水系:多摩川水系、大栗川支流雨田川支流
鎮守:山神社

自然度:2/5 景観:3/5 危険度:1/5
宅地化:4/5 荒地:1/5 農地:0/5
水田:無し 耕地:無し 公園化:無し

消失危険度:4/5

 入道谷戸とはなんともおどろっぽい名前だが、近くには壽徳寺というお寺があり、
この谷戸はその裏山付近の鬱蒼とした場所だったそうだから、考えてみれば条件が揃って
この名前になったのも至極うなずける。
伝承によると「入道のでるようなうら寂しいところ」だというから、いつの時代も人の恐怖は
変わらないものだと思えてならない。

59a36bb6.jpg
 場所は京王電鉄がニュータウン開発初期に手がけた
桜ヶ丘のただ中にあって、高台の宅地の中に一段低くなった
辺りに存在している。
 入り口は壽徳寺の母屋に繋がる道の辺りだったと思われるが、
現在は立ち入り禁止となっていてここからでは入れない。
せっかくなので、この立派なお寺を参拝しに中に入ると、
本堂の後ろは斜面に墓地が作られており、
この墓地から裏の林に抜ける道がある。
 林の中にはこの寺の代々住職の関係と思われる墓のほか、小さなユンボもあったりして、
どうもこの谷戸の跡地を更に墓地にするような気配が立ち上っており、
景観の消失も近いかも知れない。
 とはいえ、大規模宅地の中に、裏山をしょったお寺と、すぐ隣には静かな雑木をもった
鎮守の山神社もあり、桜ヶ丘の中では自然の色合いの濃い場所なことはかわりはない。
ちなみにこの壽徳寺は「佐伯谷戸」の項目で触れた佐伯道永という役人が、
この地に再建したと伝わるお寺であり、地域の信仰の中心となっていたようだ。

 アクセスは土地勘がないと少々厳しいかも知れないが、京王バスが運行する
多摩市ミニバスのバス停「山神社」があり、永山駅と百草団地を結ぶ路線が通っている。
しかしながら本数は余り多くないので、利用にあたっては事前にしっかり調査されることが望ましい。
c3f74eb0.jpg 壽徳寺への参拝と山神社への参詣の他にも史跡の寺方大屋敷などもあり、
ゆっくりとした休みの日には良い散歩コースになるのではないだろうか。
ただ、この谷戸は寺の敷地内なので、むやみに入るのはやめて、
許可を得た方がよい。
そして、せっかくこの地に来たのなら、壽徳寺からの眺望を楽しまない手はないだろう。
高台に位置する当地らしく眼下に広がる眺望はなかなかのものだ。

 この谷戸の水系は少々複雑であり、乞田川に沿った丘陵地の乞田川とは反対の斜面にあり、
流れ出た水路は、東寺方や和田に落ちて行く。
和田には普通河川の雨田川がほっそり流れているが、どうもこの川の源流の一つが
山神社付近にあるらしいとのことで、恐らくは入道谷戸の流れもこれと一体だと思われる。
雨田川はそのまま和田の原をゆっくりと野猿街道方面に流れ、多摩第二小学校付近を
流下して大栗川に落ちる。
 当時は和田の田圃の重要な水源にもなっていたんだろう。
神社とお寺に鎮守の森と宅地のオアシスのような景観を町の誇りに思わないのもったいない。

この辺りの昔の地形図は以下のリンク
http://habs.dc.affrc.go.jp/habs_map.html?zoom=16&lat=35.63971&lon=139.44185&layers=B0F0FTTTTF

この辺りの現在の地図は以下

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音楽系の仕事の傍ら、多摩の原風景を求めて
歩き回っています。
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