横浜市都筑区池辺町は、まずその町名の読み方が独特である。現在では地元でも「いけべちょう」の読み方が誤って定着しているらしいが、実際には「いこのべちょう」というのが正しい読みである。
多摩丘陵に位置し南を鶴見川沿いの耕地、北部を里山丘陵地帯となっており、現在でもこの対比は変わらず、鶴見川沿岸はららぽーとなどの施設や、工場などが造られて発展著しく、北部の丘陵部には旧集落と農地が広く広がる。
この農地の部分、ややもすると昔からある光景が変わらず残っていると錯誤しやすいが、それは大きな誤りで有り、そもそも沢、谷戸の多い丘陵部にこれだけ広い農地が獲得できるはずもなく、実は尾根を掘削し、谷を埋め、出来た台地状の平地を農地として使っているものであるようだ。
地名に目を向けると、古い産鉄地帯であったことが伺える地名の他、古墳が多く、また城址地名も散見されるなど、各時代によってイメージの異なる地であったことが伺える。
地名資料は決して多くなく、普段頼るペーパ資料も良いものが見つかっていない中での比定となったが、何とか小字単位までは拾えたと思う。
なにぶんそのような状況での作業なので、正確さは怪しいところが有り、誤りがあれば是非ご教授頂きたい。
地名の拾いあげと比定には以下の資料を活用したので、ここで深く御礼申し上げたい。
「都田　創立百周年記念誌（横浜市立都田小学校創立百周年記念事業実行委員会）」「都筑の民俗（港北ニュータウン郷土史編纂委員会）」「皇国地誌池辺村村誌」「今昔マップ on the web」「横浜市行政地図情報提供システム」「横浜じゃん旅行社web～横浜の地名字名」
またハラQ様（@ACTS142）からの多数の情報提供が有りましたこと、感謝と共に併記させて頂きます。
比定不能地名はすべて古い時代の字名で以下の通り
・城金
・出口
・猫ヶ谷＝川和村との入会地で、幕末に川和村分となる
・アイノ坂
・虎ヶ谷＝川和村との入会地で、幕末に川和村分となる
・タイトウ畑
・カミアライ谷戸
・ヲキガ谷田＝字奥谷のこと
・花ノ木谷戸＝通称ハナノキとして残っている

※各地名比定位置の微修正を行いました。
※情報提供により、新たに判明した地名、地名解釈、位置の修正、誤植の削除を行いました。


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