谷戸、里山は今や貴重な存在と成っていますが、そもそも多摩の原風景と言えば当にそれでした。
このブログではそんな多摩の原風景をご紹介し、未来にこの素晴らしい風景を伝える一助と成ればと思って開設しました。
また記録の意味も含めて、宅地化されて失われてしまった谷戸や、人工の谷戸や里山も紹介します。
名称:嫁入谷戸、弓射谷戸
住所:東京都八王子市鑓水
所属:多摩丘陵、嫁入谷戸本谷
河川:大栗川源流部嫁入谷戸川
水系:多摩川水系
鎮守:諏訪神社
所属:多摩丘陵、嫁入谷戸本谷
河川:大栗川源流部嫁入谷戸川
水系:多摩川水系
鎮守:諏訪神社
自然度:4/5 景観:4/5 危険度:3/5
宅地化:1/5 荒地:2/5 農地:4/5
水田:あり 耕地:あり 公園化:なし
消失危険度:1/5
嫁入谷戸とは変わった名前の谷戸もあるものだと思っていたが、
これには深い理由があるようだ。
この地に昔、夜な夜な現れて舞いを踊る巫女が現れ、
村の若者が皆魅了されてしまった。
これは魔性の類だと言うことになって、屈強なものが弓を射かけると、
たちまちに姿は消え、次の日、弓に射貫かれ田に横たわる狐が発見された。
この巫女伝説に由来し「弓射谷戸」となり転訛して「嫁入谷戸」となったという説がそれだ。
大栗川を挟んだ対岸には「巫女の沢」という名前もあり、この伝説に因む名は
この地の特徴の一つとなっている。
しかし「弓射」の転訛で「嫁入」というものの、
昔から「狐の嫁入り」という言葉もあることから、もっと深い事実が元になっているのかなと
想像を掻き立てられる話である。
他の説では、鑓水商人の家に、三井家から嫁入りがあったことに因むというのもあるが、
なんとなく個人的には前者が有力な気がしてならない。
この谷戸はこの地域の他の谷戸と同じく
大栗川の源流部に辺り、当谷戸の水路も
そのまま他の谷戸からの水と合わさり大栗川となって
多摩川に向かって流れて行く。
この谷戸は先端部が二分岐しており、本谷と支谷ともに
現在でも耕地、水田として現役である。
支谷の入り口には植物関係の会社があり、
その脇を細い水路が流れている。
その奥に小さな耕地が広がっているが、これより先は私有地なので立ち入りは出来ない。
その分岐の正面は本谷の谷頭部となっており、水田を営まれているお宅から先は
やはり私有地なので立ち入りは出来ない。
農作業されていたりしたときは許可を貰って奥に入ることも出来るが、
奥の雑木林に入っていくと、裏の宅地へ抜ける直前に立ち入り禁止の
バリケードが施してあるので、抜けることは出来ない。
素晴らしい景観を楽しむだけにして、無闇に入ることはやはり慎みたい。
谷頭部から下流を見下ろすと、すぐ先にはニュータウンの林立する高層ビルが見えるが、
ニュータウンのほど近くなのに、鳥のさえずり、小川のせせらぎ、葉擦れの音以外には
まず余計な音が無く、非常に静かな場所だ。
この付近まで歩いてきたら、この里山の音に耳を傾けて、じっくり癒されたい。
この付近の昔の地形図は以下のリンクから
http://habs.dc.affrc.go.jp/habs_map.html?zoom=17&lat=35.62172&lon=139.35299&layers=B0F0FTTTTF
この付近の地図は以下
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